TOP > 生前贈与を利用する > 贈与と遺留分の関係
民法では、贈与をしてから1年以内に贈与者が死亡した場合、その生前贈与は「遺留分」の対象になるとされています。
「遺留分」とは、特定の相続人に対して最低限度に保証されている一定割合の遺産のことをいいます。
遺留分は、法定相続人のうち配偶者、子、孫、親、祖父母に限定されています。
したがって通常の遺産相続とは異なり、兄弟姉妹には遺留分は認められません。
つまり、遺留分という規定を定めることにより、被相続人が自由に処分できる財産の割合に制限を加え、相続人に対してこれだけは最低相続できるという一定の割合を法律で認めているのです。
しかし、1年以上前にされた贈与でも遺留分権利者に損害が与えられることを贈与者・受贈者双方が知ってながら行われた生前贈与については、1年以内という制限がなくなり、どこまででもさかのぼって財産を遺留分の基礎となる財産に組み入れて計算できます。
●被相続人の死亡前1年以内にされた贈与
●被相続人が死亡する1年以上前にされた贈与で、贈与者・受贈者双方が遺留分権利者の権利を侵害することを知って行われた贈与
●相続人が受けた特別受益分(時期等を問いません)
●当事者双方が遺留分を侵害することを知ったうえでなされた、不相当な対価による売買等の有償行為。
生前贈与をする時は、将来の争いにならないように家族に自分の意志をきっちりと伝えておき、理解を得ておく事が大切です。
家族に何も言わずに特定の相続人等に生前贈与するのは、相続人間のトラブルを引き起こす可能性があるため、出来るだけ避けた方が良いといえるでしょう。